小規模企業共済制度で退職金の準備と節税を 最大120%相当額が戻ってくる!

経営者のための退職金制度「小規模企業共済制度」 貯金のつもりで積立て

続けると節税になるのはもちろん、最大120%戻ってきます

 

 

1. 制度の概要

 

 

小規模企業共済制度は、個人事業をやめられたとき、会社等の役員を退職したときなどの

生活資金等をあらかじめ積立ておくための共済制度です。

小規模企業共済法に基づき、独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営しています。

この制度は、いわゆる「経営者のための退職金制度」です。

税制上も優遇されており、節税対策としても多くの経営者の方々に利用されています。

 

2. 加入できる人は?

 

 

従業員数が20人以下 :建設業・製造業・宿泊業・娯楽業・不動産業・農業など

従業員数が5人以下 :卸売業・小売業・サービス業など

上記の要件を満たす個人事業主やその経営に携わる共同経営者(配偶者や子以外も対象です)、

会社等の役員の方が当該制度に加入することができます。

制度の名称からわかる通り、あくまで小規模な事業者を対象としていますが、要件を満たして

いるときに一度加入しておけば続けることが可能なため、創業後(会社が大きくなる前に)加入

を検討しておくべきでしょう。

 

 

3. 毎月の掛金はどのくらい?

 

 

掛金月額は、1,000円~70,000円の範囲内(500円単位)で自由に選べますので、無理のない

掛金設定が可能です。加入後も掛金月額は自由に増額・減額できます

また、払込み方法も「月払い」「半年払い」「年払い」から選べます。

年払いの場合1年分前払い最大84万円を支払えば、本年度の節税対策としても利用でき

ます。

4. 掛金の税法上のメリット

 

 

掛金は、「小規模企業共済等掛金控除」として「事業所得」であれ、役員の方の「給与所得」であ

れ課税対象金額からその全額が控除できます。

所得税はもちろんのこと住民税を節税することができます。

 

しかし、個人事業主の方など国民健康保険ご加入の方の国民健康保険料

は、税金の計算上は「社会保険料控除」(所得控除)として控除はできますが、原則として

国民健康保険料の計算は、社会保険料控除(所得控除)を差し引く前の所得を基礎として

計算されるため、他の例えば倒産防止共済のように、事業所得等の必要経費として

取り扱うのではないため、国民健康保険料を減らす効果はありません。

 

※ 過去、この点について誤った記載を掲載していた時期があり

誠に申し訳ありません。

 

例えば年間の課税所得が400万円の場合、掛金月額が3万円とすると所得税及び住民税でおよそ

109,500円節税できます。掛金月額が最大7万円の場合の節税額はおよそ241,300円です。

課税所得が400万円より大きければ、節税額はさらに大きくなります。

また、法人の役員の方などの場合は、役員の方自身で当制度に加入すれば、年間掛金総額分だけ

法人からの役員報酬を値上げしても、個人で支払う所得税・住民税は値上げ前と変わらず法人の

経費を増やすことも可能です。(ただし社会保険加入の場合は、社会保険料は増加します。)

 

5. 共済金の受取りのときの取扱い

 

 

共済金の受け取りは「一括」「分割(10年・15年)」「一括と分割の併用」のいずれかを選ぶこと

ができます。

掛金納付期間に応じ最大120%相当額が戻ってきます。(自己都合の解約などの場合は、元本割れ

することもあります。)

しかし、自己都合等での解約ではなく、廃業・退職などの制度趣旨に沿ったケースでの共済金の

受け取りの場合は、3年以上加入すると、掛金総額より多くの共済金を受け取ることができます。

共済金を受け取る時は、その共済金は所得税の課税対象となりますが、一括で受け取った場合は

「退職所得扱い」、分割の場合は「公的年金等の雑所得扱い」となり、他の所得よりかなり納税者

の方に有利な計算方法で課税される税金が計算されます。

ちなみに、分割で受け取る場合は、年6回(毎年1月、3月、5月、7月、9月11月)の支給

となりますので、公的年金と交互に受取ることができ、毎月安定した収入を得ることができます。

 

 

6. 契約者貸付もできます

 

 

契約者の方は、積立ている金額の範囲内(掛金の7割~9割、最大2,000万円)で共済から資金の

借入も可能です(担保・保証人不要・審査なし)。利率は原則1.5%(場合によっては0.9%)、

貸付期間は最大60か月です。事業資金が厳しくなった時などにも活用できます。

 

 

7. 総括

 

 

上記に記載の通り、小規模企業共済は、実質的に貯金し続けながら節税にもなり、個人事業主の方

のように自分に退職金を支払えないような方でも自分の事業引退後の退職金の準備ができるという

制度です。もしもの時のリスクに備えられる保険のような保障はありませんが、ご興味がおありの方は、

顧問の税理士、商工会、商工会議所、お取引のある金融機関(ゆうちょ銀行など除く)などへご相談ください。

中小企業倒産防止共済を利用して最大240万円節税

中小企業倒産防止共済を利用した節税対策
事業年度終了まじかでも対応可能最大240万円

 

1. 中小企業倒産防止共済の活用

①  制度の概要

中小企業倒産防止共済とは中小企業基盤整備機構が行っている制度で、本来の目的は売掛金債権等が回収困難になった場合に、貸付けが受けられる共済制度です。しかし、法人税法上及び所得税法上その掛金は、全額損金に算入されるため中小企業の利益調整、節税対策にも利用されています。

 

② 毎月の掛金

毎月の掛け金は5,000円~20万円の範囲内(5,000円単位)で自由に選べます。加入後も掛金月額は増額・減額できます(ただし、減額には一定の要件が必要です)。掛金は、掛金総額が800万円になるまで積み立てられ、掛金総額が掛金月額の40倍に達した後は、掛金の掛止めもできます。

③ 掛金の前納

掛金は将来払込む掛金をまとめて一括で払い込むことができます。法人・個人とも、将来1年分の掛金を前払いした場合は全額支出した年度の損金に算入することができます。1年分前払いを事業年度が終了する前に月額掛金20万円の1年分240万円を事業年度終了までに支出すれば全額が経費となります。また前払いすると、前納減額金が適用され、

掛金月額×(5÷1000)(前納月額の累計)

という計算で出た金額が割引されます。
前納減額金の入金は経理上「雑収入(非課税)」で処理します。

※ 前納の手続きは毎年自動更新ではなく、翌年もまた、前納の手続きが再度必要になります。前納の手続きに関しましても期限が

ございますので、その手続きのにつきましては十分ご注意ください。

※ 損金に算入される金額は最大800万円が上限です。それをこえる前納をされても超える部分は損金となりませんので十分ご注意くださ   

い。

④ 任意解約・解約手当金

共済契約が解約されたとき、掛金納付月数が12か月以上の場合、解約手当金が支払われます。1年以上の納付をしていれば80%、3年4カ月以上の掛金納付をしていれば、前納月額金は別途収入した上で100%の解約手当金を受け取ることができます。3年4カ月以上の掛金を納付すれば、それまでに支払った掛金の全額が戻ってきます。解約時期も自由に選択できます。

 

⑤ 掛金の掛止め

掛金総額が掛金月額の40倍に達している場合、すなわち40カ月分掛金を払い込めば、掛金を支払うのをやめることできます。
掛金の掛止めをするためには、取扱機関である商工会・金融機関等で所定の手続きを取る必要があります。

 

⑥ 解約手当金の会計上の取扱い

解約の際の解約手当金は、全額雑収入に計上されます。
そのままでは、解約手当金に税金が課税されてしまいます。
そのため、解約するときは解約手当金の使用目的がはっきりしているとき、例えば

・従業員もしくは社長への退職金
・赤字の補てん
・設備投資
・会社や事業の収益に繋がる投資
・自動車や事務所の修繕など、金額が大きい商品・サービスの利用 等

の場合です。しかし、民間の節税対策と称される生命保険のように解約返戻率が、解約の時期によって大きく変わるのとは違い3年4カ月掛金を納付し、そのあと掛金を掛止めにしておいても、いつでも自由に解約でき、100%の掛金総額が戻ってきます。

 

⑦  決算申告の際の取扱い

中小企業倒産防止共済は、損金経理が要件となっていないので、生命保険積立金と同様に資産計上しても保険料のように損金経理しても構いません。積立金処理した場合は、当期の利益額をみて、申告書上で減算認容すれば、損金に算入されます。
また中小企業倒産防止共済を損金に算入する場合、法人・個人ともに別途明細書の添付が必要になります。

※ 損金経理が要件になっていないとはいえ法人の場合、必ず別表10(6)の添付は必須ですのでご注意ください。

  また、資産計上する場合は、申告書で減算をし忘れないよう十分ご注意ください。

  もし、ケアレスミスで申告減算するリスクも考慮すれば、当初から損金経理する方が管理・手間・リスクを省けるかもしれません。

※ 法人・個人ともに創業第1期目は、加入できない点にご注意ください。(2期目以降は加入できます。)

 

⑧ 総括

中小企業倒産防止共済の本来の制度趣旨とは別に、節税対策としても有効な制度です。事業年度終了まで時間がないがかなり利益が出ているといった場合、事業年度の終了前の手続きの期限までに手続きを取り、1年分の掛金最大240万を前納すれば、それは全額経費に算入可能です。翌年度以降は3年4カ月、少なくとも掛金を払い続ければ、その後は、掛金の掛止めの手続きをするも、限度額まで掛金を払い続けるも自由です。3年4カ月掛金を継続して、払込めば、解約金は100%戻ってきます。ただし、損金算入上限は800万円までです。解約の際には雑収入計上はしなければいけませんが、自由に解約の時期が選択でき、掛金全額が戻ってきます。共済の加入の手続きは、顧問の税理士・商工会・金融機関などにご相談ください。

「すまい給付金」制度ってどんな制度?

消費税増税に伴い住宅ローン減税の控除額も拡充されましたが、住宅ローン控除は支払っている所得税等から控除されるしくみなので、収入がある程度高い人ほど恩恵を受けやすい制度です。そこで、税金の負担額の比較的少ない人でも恩恵が受けられるように創設されたのが、「すまい給付金」制度です。もちろん、住宅ローン控除制度と、すまい給付金制度は、要件さえ満たせば併用可能です。最大30万円(消費税率10%時は50万円)の給付金が受け取れます。また、住宅ローンがなくても、要件を満たせば「すまい給付金」は受け取れます。

 

すまい給付金制度が受けられる適用要件は?

 

すまい給付金を受けるためには最低でも、

  1. 消費税増税以降に住宅を購入し、自分でそこに住んでいること、
  2. 収入が一定以下であることという

要件を満たす必要があります。

 

収入の判断基準は、各都道府県の住民税の「所得割額」で判断され、その金額により受け取れる給付金額も段階的に変わってきます。この「所得割額」は各市町村の役場で発行してもらえる「課税証明書」で確認することができます。

 

夫婦(妻は収入なし)及び中学生以下の子どもが2人もモデル世帯だとすると、すまい給付金が受けられる目安は、

 

消費税率8%時 収入額510万円

消費税率10%時 収入額775万円

です。住民税の「所得割額」は同じ収入でも、扶養家族の人数等で変動するため、各人ごとに収入の限度額は変わってきますので、課税証明書で確認するのがよいでしょう。

 

国土交通省すまい給付金のホームページには、「すまい給付金」をいくら貰えるかシミュレーションできるページ(http://sumai-kyufu.jp/simulation/index.html

もあるので、あらかじめ算出してみてもいいかもしれません。

 

また取得する住宅は、新築住宅でも中古住宅でも対象になりますが、主に次のような要件があります。

 

  1. 床面積が50㎡以上である住宅であること
  2. 第三者機関の検査を受けていること

 

などです。

なお、新築住宅/中古再販住宅、住宅ローン利用の有無で、要件が異なりますのでご注意ください。

 

すまい給付金の申請書類はどこで手に入りますか?

 

国土交通省すまい給付金ホームページ(http://sumai-kyufu.jp/

からダウンロードできます。全部で8種類の申請書が用意されており、取得住宅の種類(新築住宅or中古住宅)、給付金受領方法(申請者本人or事業者代理受領)、住宅ローン利用の有無(利用ありor住宅ローンの利用なし/現金取得)に分かれていますので該当するものを選んでください。

 

 

すまい給付金の給付申請書以外に必要な書類はどのようなものがあるのでしょうか?

 

新築の場合は次の通りです。

 

(1)【原本】住民票の写し(住民票記載の住所が取得住宅の住所で、発行日から3カ月以内のもの

(2)【原本】個人住民税の課税証明書※発行する市区町村により名称が異なる

・・・取得住宅が所在する市区町村ではなく、前住宅が所在する市区町村から発行を受けてくだ           さい。

・・・提出する課税証明書の年度は「国土交通省 すまい給付金」ホームページの「給付金について」を参照してください。

(3)【原本】不動産登記における建物の登記事項証明書・謄本(所有者であることが確認でき、発行日から3カ月以内のもの)

(4)【コピー】工事請負契約書または不動産売買契約書(約款部分も添付)

(5)【コピー】給付金受取口座を確認できる書類(通帳など)

(6)【コピー】住宅取得に係る金銭消費貸借契約書(住宅ローン契約書)

 

まず、住宅の売り主に「すまい給付金」を受け取りたい旨を伝え、対象になるかどうかを事前に確認しておくことが大切です。事業所によっては事前に伝えておかなければ書類を手配できない場合や、中古住宅などではそもそも書類がない場合がありますので、最初に意向を伝えておきましょう。あとは、住宅の持分をどのように登記しているか。夫50%、妻50%と分けている場合はそれぞれ書類を用意する必要があります。いずれにしても給付基礎額を超える額にはなりません。

 

確定申告をする場合、すまい給付金はどのように申告すれば良いですか?

 

(収入における取扱い)

すまい給付金は、一時所得に該当しますが「国庫補助金等の総収入金額不算入」の適用を受けることができます。

本規定の適用によって、給付金は総収入金額に不算入とすることができ、課税されません。

ただし、他に所得があるかどうかによって確定申告が必要かどうか変わってきますので、お近くの税理士の方などにご相談ください。

(住宅ローン減税における住宅の所得対価の計算)

交付を受けた住宅について住宅ローン減税の適用を受ける場合、すまい給付金の額は住宅の取得対価から控除されます。

 

 

 

相続時精算課税ってどんな制度?

 

贈与税の課税制度には暦年課税相続時精算課税の2つがあります。

一定の要件に該当する場合には、相続時精算課税制度を選択することができます。

 

相続税の課税対象とならない層にとっては、実質的に税負担なく生前贈与が行えるといった意義があります。もともと、世代間の資産移転の促進を図る制度として創設されているもので、今般、本制度については、若年世代への早期の資産移転のより一層の促進を図る観点から、①受贈者に孫を追加し、②贈与者の世代年齢を65歳から60歳に引き下げるといった制度の拡大が平成27年以降の贈与から行われています。

 

相続時精算課税制度の最大の魅力は、贈与時に2,500万円の特別控除がある点です。

この特別控除は累積で2,500万円になるまで複数年にわたって利用することができます。

2,500万円を超えるに至った場合は、税率20%で贈与税が課税されます。

しかし、それで贈与した財産の課税関係が終わるわけではなく、その贈与者が亡くなった時に、その贈与した財産は、相続財産に加算され相続税が計算され、生前贈与で支払った贈与税を控除した残額を相続税として納付することになります。生前贈与したからと言って、相続財産が、減るわけではありません。もともと相続税の発生しない方からの贈与であれば、相続時に、この制度を利用して生前贈与で納めた贈与税があれば、還付されます。

 

相続時精算課税の選択は、受贈者である兄弟姉妹が各々、贈与者である父、母、祖父、祖母ごとに選択できます。最初の贈与の際の届出により贈与者の相続時まで継続して適用され、途中で暦年課税へ変更することはできません。

 

 

相続時精算課税が適用できるのはどんな人ですか?

 

贈与者は贈与した年の1月1日において60歳以上の親又は祖父母、受贈者は贈与を受けた年の1月1日において20歳以上の子又は孫とされています。(平成27年1月1日以後の贈与の場合)

 

相続時精算課税制度を利用するメリットは?

・2,500万円の特別控除により、一度にまとまった金額を贈与できる。

  • 相続税の心配のない人は安心して利用できます。

 

  • アパートなどの収益物件や将来、値上がりしそうな財産を贈与すれば相続税対策になります。

 

 

相続時精算課税制度の注意点・デメリットは?

 

  • 相続財産が贈与によって、減少するわけではない

  •  相続時精算課税、贈与時に贈与税は課税されませんが相続時にその贈与財産は相続財産に加算されます。つまり、相続税のかかる人にとっては無税で贈与できるわけではなく、税金の支払いの先延ばしにすぎません。 

  • 暦年課税に戻ることができない

  •  一度、その贈与者について「相続時精算課税」を選択すると、その贈与者からの贈与については、「暦年課税」に戻すことはできません。「暦年課税」であれば、年間110万円までは無税で贈与できますし、相続開始3年以内の贈与でない限り、相続時に相続財産に加算する必要はありませんが、「相続時精算課税」を選択すると、110万円以下の少額の贈与についても、その都度申告する必要があり、それらの贈与財産はすべて相続財産に加えられます。暦年課税であれば、110万円の基礎控除があるため、長期にわたって、広範囲の親族に贈与を続けることで、相当な金額の財産を相続財産から外すことができます。
  • つまり、相続税のかからない方にとっては、早期に生前贈与しても、実質的に税負担なく資産の移転が行えますが、将来の相続税の発生が見込まれる方にとっては、相続時精算課税制度を選択するよりも暦年課税により節税対策を行った方が税務上のメリットがあります。
  • 贈与時の価額が固定される

  •  相続時精算課税で贈与された財産は、相続税の計算上、贈与時の価額で相続財産に加算されます。贈与時より相続時の方が時価が下がっている場合は、税務上、不利になります。極端な例では、同族会社の株式を相続時精算課税で贈与した場合において、その会社が倒産し、株式が無価値になっても、贈与時の価額で相続財産に加算されることになります。
  • 受贈者が先に死亡した場合の課税関係

 

相続時精算課税における贈与者(特定贈与者)の死亡より前に贈与を受けた者が死亡した                        場合には、その受贈者の相続人は、その者が有していた相続時精算課税に伴う納税に係る権利または義務を承継します。つまり、親子間で贈与済の財産に相続税が課され、その後親が死亡した際にも、本来、子が負担すべきであった相続時精算課税に係る相続税の納税義務を子の相続人(子の妻や孫)が承継することになるため、一つの財産につき二重に課税される可能性があります。

(仮に相続時精算課税による贈与をしていなければ、親の相続時に子の代襲相続人である孫がその財産を相続することで孫に相続税が課税されるだけで済みます。)

 

  • 小規模宅地等の特例が使えない

  • 小規模宅地等の特例の対象は相続または遺贈により取得した財産に限られています。
  • つまり、相続時精算課税による贈与は要件に該当せず、例えば通常、特定居住用宅地等であれば評価額が80%減額されますが、相続時精算課税を利用して贈与した宅地等については、その特例の適用がありません。
  • 贈与時の登録免許税・不動産取得税が相続の場合より割高になる相続時精算課税で贈与した不動産についての登録免許税・不動産取得税は、贈与での取得となりそれぞれ税率が相続により取得した場合よりも高くなります。登録免許税・不動産取得税の税率を掛ける課税標準は固定資産税評価額ですので、贈与の場合は相続の場合に比較してかなり大きな負担となります。

土地に係る不動産取得税と登録免許税は、原則として課税標準額(固定資産税評価額)に以下の税率を乗じた金額となります。

 

相続時精算課税による贈与   相続
 不動産取得税      3%(※)   非課税
 登録免許税     20/1000   4/1000

(※)平成27年3月31日までに宅地等を取得した場合は、固定資産税評価額に1/2を乗じた額を課税標準額とします。

 

相続時精算課税制度による贈与と相続との差額

 

例えば、贈与を行う土地(宅地)の相続税評価額が、2,400万円、固定資産税評価額が2,000万円だったとします。

 

相続税評価額は2,400万円であり、特別控除額2,500万円の範囲内に収まっているため、相続時精算課税制度の申告により贈与税額をゼロとすることができます。

しかし、不動産取得税と登録免許税は、相続時精算課税制度を選択しても非課税とはなりません。

相続時精算課税による贈与の場合、不動産取得税が30万円(2,000万円×1/2×3%)、登録免許税が40万円(2,000万円×20/1000)となり、合計70万円がかかってしまいます。

 

一方、相続の場合には、登録免許税8万円(2000万円×4/1000)だけですみます。

 

この例において相続時精算課税による贈与の場合と相続の場合では、不動産取得税及び登録免許税の差額が62万円にもなります。

 

 

 

 

相続時精算課税制度の申告をする時に準備する書類は?

 

・贈与を受けた人の戸籍全部(個人)事項証明書・戸籍の附票の写し

・贈与者の住民票の写し・戸籍の附票の写し

 

 

相続時精算課税を利用しようとするときは、2,500万円まで贈与税がかからないという一面のみにとらわれず、この制度のメリット・デメリットをよく検討した上で、専門家にご相談の上、お決めになられることをお勧めします。

ふるさと納税とはどんな制度?

「ふるさと納税」ってどんな制度?

「ふるさと納税」とは、「納税」という言葉がついていますが、厳密にいうと、地方自治体への寄附です。
所得税、住民税には寄附金控除という控除制度があります。
一定の寄附(国又は地方公共団体に対する寄附など)については税金を減額してくれる仕組みになっています。
そのため、その方の収入などによって、一定の金額までの寄附については、最低限の2,000円を除いた寄附金の額に相当する所得税・住民税の額が還付・減額されます。
近頃は寄附を受けた自治体が、地元の特産品などを寄附した方に贈ったりもしているので、結果的に2,000円の負担で、特産品がもらえるというお得な制度として人気を集めています。

 

『ふるさと納税の手続きは?』

 

地方自治体に寄附をした年において、所得税・住民税からの還付・控除を受けるためには、原則として確定申告を行う必要があります。
なお平成27年4月から「ふるさと納税ワンストップ特例制度」が始まりました。
これは、本来確定申告を行う必要がなかった給与所得者等については、ふるさと納税を行う際、その自治体に申請することで確定申告が不要になるというものです。
ただし、適用が受けられるのは、ふるさと納税を行う自治体の数が5団体以内である場合に限られます。
またワンストップ特例制度では、確定申告をする場合は、「所得税の還付+住民税の控除」だったものが、すべて「住民税控除」となり翌年度に住民税が減税されます。

 

『自治体からもらった特産品等は課税されるのでしょうか?』

 

自治体から送られた特産品等は「一時所得」となります。しかし年間50万円を超えない贈答品の取得については、所得税は課税はされません。

 

『ふるさと納税制度が拡充されたと聞きましたが。』

 

平成27年からの寄附については、納税枠が約2倍に拡充されました。住民税のおよそ1割程度だった還付、控除額が2割程度まで拡大したということです。
すなわち2,000円の負担のみでそれ以外の部分について、所得税・住民税が還付・控除される額が平成27年から今までのおよそ2倍になったということです。
ふるさと納税の制度は、単に自治体からの特産品の取得目当てでなくても、自分の生まれ故郷に貢献したい、被災地の復旧、復興に協力したいなどの理由でも使えますし、寄附金の使いみちまで指定できる自治体もあるようです。ご興味のある方は、各自治体のHP等にも寄付の手続きの仕方などが紹介されていますし、ふるさと納税に関する専門サイトもあるようですので、ご参照ください。